Excvrとrust-analyzerでJupyterでRust

TL;DR

とりあえずRustを動かしてみたい、といった用途ではJupyterは非常に有用な環境です。 excvrを使うことでJupyter上でRustを使うことができるようになります。 また、jupyter-lspを使いrust-analyzerをJupyter上で動かせるようにすることで、開発体験を向上させます。

polarsと抱合せですが、以下のレポジトリで動作が確認できます。

illumination-k/polars-pandas

excvr用のimageの作成

evcxr_jupyter自体のインストールは公式が詳しいです。 libzmq3-devがないとエラーしたので、加えてあります。

今回はevcxr_jupyterのインストールに加えて、jupyter-labjupyter-lsprust-analyzerのインストールを行っています。

Dockerfile

FROM rust:1.56 as rust

USER root

# 依存ライブラリのインストール
RUN apt-get update -y --fix-missing && \
    apt-get install -y build-essential cmake jupyter-notebook libzmq3-dev

# evcxr_jupyterのインストール
RUN rustup component add rust-src && \
    cargo install evcxr_jupyter && \
    evcxr_jupyter --install

# pipのインストール
RUN wget https://bootstrap.pypa.io/get-pip.py && \
    python3 get-pip.py && rm -f get-pip.py && \
    pip install jupyterlab && pip install -U jupyter_client

# lsp関連のインストール
RUN pip install jupyter-lsp jupyterlab-lsp && \
    curl -L https://github.com/rust-analyzer/rust-analyzer/releases/latest/download/rust-analyzer-x86_64-unknown-linux-gnu.gz | \
    gunzip -c - > /usr/local/bin/rust-analyzer && \
    chmod +x /usr/local/bin/rust-analyzer

CMD [ "jupyter", "lab", "--port", "8888", "--ip=0.0.0.0", "--allow-root" ]

jupyter-lsp用の設定

pythonrなど、jupyterでメジャーな言語のものは自動でlspを検出してくれるようですが、rustの場合は自前で設定を書く必要があります。

jupyter-lsp configuringのScalaの例を参考に設定ファイルを作成します。 以下のファイルをjupyter --pathsで表示されるディレクトリのどれか以下にjupyter_server_config.dを作成し、それ以下に配置します。

今回は${HOME}/.jupyter/jupyter_server_config.d/rust-analyzer.jsonというように配置します。

rust-analyzer.json

{
  "LanguageServerManager": {
    "language_servers": {
      "rust-analyzer": {
        "version": 2,
        "argv": ["/usr/local/bin/rust-analyzer"],
        "languages": ["rust"],
        "mime_types": ["text/x-rust"]
      }
    }
  }
}

docker-composeの設定

すでに書いたように、rust-analyzer.jsonを${HOME}/.jupyter/jupyter_server_config.d/rust-analyzer.jsonに配置します。 また、work以下をマウントして、ローカルと共有しています。

docker-compose.yaml

version: "3"
services:
  jupyter:
    build:
      context: .
      dockerfile: Dockerfile
    image: jupyter
    environment:
      - TZ=Asia/Tokyo
      - JUPYTER_ENABLE_LAB=yes
    ports:
      - 8888:8888
    volumes:
      - ${PWD}/work:/work
      - "${PWD}/jupyter_server_config.d:/root/.jupyter/jupyter_server_config.d"
    working_dir: "/work"

Cargo.tomlの作成

rust-analyzer自体はCargoがないプロジェクトでも動かせるらしいですが(参考)、今回は面倒なので、Cargo.tomlを使ってdocker-compse.ymlで共有するためのworkディレクトリを作成します。

cargo new work

実行

これで、docker-compose upでjupyterが起動するはずです。 以下のように補完が効くようになります。

evxcr_jupyter_lsp_example

VSCodeほどではないですが、tab補完よりは快適な気がします。

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